「病んだ部下とのつきあい方」西多昌規著

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 今、大企業の97.5%に、心を病んで1カ月以上休職している社員がいるという。部下を持つ立場の中高年にとって、メンタルヘルスの知識は持っていて当然の常識となりつつある。

 まず知っておきたいのが、“病んでいるサイン”だ。とくに分かりやすいのが、遅刻の増加である。うつ病には、午前中は具合が悪く、午後になると持ち直す“日内変動”という症状があるためだ。また、集中力や思考力の低下も表れるため、単純な計算ミスや書類の誤字脱字も増えてくる。

 ただし、サインに気付いてもすぐに病院の受診を勧めてはいけない。休職を突きつけられるような不安感を与えるためだ。異変に気付いていることを優しく伝え、相談に乗る機会を示すことが先決だという。
(中央公論新社 780円)

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