【大人のためのオトナ本】生き方編 親父未満兄貴以上の叔父さんの出番だ
■「まるでダメ男じゃん!―「トホホ男子」で読む、百年ちょっとの名作23選」豊崎由美著
ダメ男が登場する古今東西の小説を紹介するブックガイド・エッセー。
まずやり玉に挙げられるのはフローベール作「ボヴァリー夫人」で、浮気を繰り返した末に破産して自殺してしまう主人公の夫・シャルル。その凡庸さが罪だと糾弾する著者は徹底検証。その他、夏目漱石作「坊っちゃん」の「おれ」から、ダメ男のすべてが備わった西村賢太作「どうで死ぬ身の一踊り」の「私」まで、23作に登場する彼らを反面教師に男の生き方を学ぶ。
(筑摩書房 1600円)