IWGPシリーズ最新刊を上梓した石田衣良氏に聞く
「IWGP」で何を思い浮かべるかで、年齢がバレるといっても過言ではない。プロレス団体? と思ったご仁は残念ながらオヤジに認定。97年に発表、ドラマ化され、若者の間で話題沸騰の人気作となった「池袋ウエストゲートパーク」の略称である。17年続く人気シリーズの最新作「憎悪のパレード」(文藝春秋 1500円)について、著者に心境を聞いた。
池袋西口公園を舞台に、若者たちが暗躍するIWGPシリーズは、初作から数えて17年目に突入。今作は11作目となる。
「17年……もうそんなに経つんですねぇ。初期は評判悪くてね、池袋のイメージを著しく損なう、なんて区長が言っていたそうですからね(笑い)」
今では池袋という街の変遷史であり、ガイドブック的要素も担う作品だ。
「当時は大沢在昌さんの『新宿鮫』があり、渋谷を舞台にしたJ文学みたいな小説もあったから。たまたまよく遊びに行っていた池袋を舞台に使っただけなんですけどね」
池袋の果物屋兼トラブルシューターのマコトを主役に、タウンギャングのキング・タカシやヤクザの構成員・サルなど、おなじみの個性的なキャラクターが登場。池袋にはびこる不穏な事件やトラブルを解決に導いていく。