「ニッポン景観論」アレックス・カー著

公開日: 更新日:

 その他、山の斜面を覆う擁壁や、河川の護岸、そして海岸線の消波ブロックなど、自然に対する「尊敬の念」もなく、コンクリートを多用した公共工事の産物たちや、「奇抜なものをつくることが地域発展につながる」と信じて建てられた地方自治体による建築物などを俎上に載せる。

 改めて指摘されると、これまで見慣れた風景が、実は目を覆いたくなるような光景であったことに気づかされる。

 その上で著者は、これからは、足し算の工事ではなく、こうした汚れてしまった国土を「大掃除」する引き算の公共工事をすべきだと提言。観光立国、2020年の東京五輪を目指し、日本が何から取り組むべきかを教えてくれる。

(集英社 1200円)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動