「タテの二股」で地方を切り捨てた小泉政権

公開日: 更新日:

「『共倒れ』社会を超えて」野崎泰伸著

 政治は「排除と包摂」から成る。前者は同質的な者を集めて統治を安定させること、後者は異質な存在を混在させて活性化を図ること。

 たとえば障害者支援などを充実させることは異質の包摂によって社会の道徳的紐帯を高めることだ。

 しかし、実際には社会保障費の増大などで世間は包摂を忌避。しわ寄せは当人とその支援に当たる周囲におよび、結果として「共倒れ」が生まれてしまう。弱き者に過酷な「犠牲の構造」を乗り越えるための倫理学者の考察。

(筑摩書房 1500円+税)

【連載】NEWSを読み解く今週のキーワード

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動