「昭和を語る」鶴見俊輔著
1946年、衆議院憲法改正特別委員会によって第9条に「前項の目的を達するため」という修正条項が挿入されたとき、これが後に自衛戦争、もしくは自衛戦力を認める根拠として利用できることにほとんどの人が気づいていなかった。提案者の芦田均委員長は意図的に挿入したかのように後に語ったが、彼の日記を読むと、芦田自身も気づいていなかったことは明白である。少数の法制局官僚はこれによって再軍備が可能になると意図していたが、極東委員会の中国代表はそれを見抜いた。(「日本国憲法」のミステリー)
先日、逝去した評論家・鶴見俊輔が古関彰一、河合隼雄ら13人と語った座談集。(晶文社 2200円+税)