「ジェネレーションフリーの社会」北岡孝義著
戦後間もなくの日本人の平均寿命は50~60歳だったから、年金給付期間はせいぜい10年だったが、寿命が延びた今は15~20年にもなる。財政破綻を避けるためには、退職後も国民全員が働く、世代構成の変化による影響のない〈ジェネレーションフリー社会〉を目指すしかない。若い世代に負担を押し付けるのでなく国民全員が全員を支えるのである。〈労働=苦痛〉だと働き続けることはつらいが、そこに〈自由意思〉と〈誇り〉があれば生き生きと働くことができる。そういう社会を実現するためには、国による高齢者の起業、NPOなどへの支援、職業教育が必要となる。
年金に頼らずに生きる社会を目指す、経済学者による提言の書。(CCCメディアハウス 1600円+税)