ODAが鍵を握る世界遺産登録の舞台裏
このようなロビイングを進める際、先進国に対して発展途上国は非常に協力的だという。その背景にあるのが、ODA(政府開発援助)だ。とくに日本はODA活動が盛んであるため、発展途上国からの評判もすこぶるいい。一方、先進国同士の場合、国連の案件やWHO(世界保健機関)の選挙までが取引材料になる場合も増えているという。
ロビイングに左右される状態が続けば、世界遺産のブランド価値は失墜する。現在、世界遺産の数は1031件。もはや飽和状態との声もある中で、もう一度その意義を見直すときが来ているのかもしれない。