「会津物語」赤坂憲雄+会津学研究会編著
会津地方に伝わる不思議な話を古老たちから採集して編んだ物語集。
角田ヤスさん(大正4年生まれ)は、祖母から曽祖母のオウチが山姥をもてなしていたという話をよく聞いたという。昔、家が神社の分社の近くにあり、オウチはお参りに来た人をよくもてなしていたらしい。山姥はそばを流れる川の対岸にある「ヤマンバユウ」という洞穴のような岩に住んでおり、「オウチいたか? 何かねぇか? お茶くっちぇくろ」と度々訪ねてきたそうだ。山姥の頭のてっぺんにでっかい口があったがオウチは嫌がることもなく、もてなしていたという。
その他、代々家に伝わる「子授けのお像」の話など、100話を収録した会津版「遠野物語」。(朝日新聞出版 2300円+税)