「日本クラゲ大図鑑」峯水亮ほか著

公開日: 更新日:

 深海を漂う深紅の「リンゴクラゲ」や、口腕が10メートルを超える大型の「ダイオウクラゲ」、宇宙生物のような「エフィラクラゲ」、日本固有の「ハナガサクラゲ」、そして時に長さ15メートル以上にもなるというロープ状のその名も「ケムシクラゲ」など。ひと口にクラゲといっても、その大きさから姿形まで、なんとバラエティーに富んだ世界なのだろうか。悪名高き「エチゼンクラゲ」も、ダイバーを従えて海中をたゆたう姿は、その大きさと相まって神々しさまで感じられる。

 多くのクラゲは、発達段階によって固着生活を送るポリプ世代から水中を漂うクラゲ世代へと世代交代を行い、前者では無性生殖によって増殖、後者は有性生殖によって繁殖する。

 なんと「ベニクラゲ」類に至っては、ストレスを受けると自然の摂理に逆行して、再び無性世代の若いポリプに戻るという不老不死の能力を備えているという。

 一方、刺激を受けると発光することで知られるウリクラゲなどの「有櫛動物門」に分類されるクラゲは、この世代交代がなく、実はクラゲと名がついているが、これまで紹介した「刺胞動物門」のクラゲとは、人間とメダカ以上に生物学的にはかけ離れた生き物なのだ。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動