ニセ科学を見破ろう編
「ニセ科学を見抜くセンス」左巻健男著
ひところ、マイナスイオンが健康にいいといわれて、大手の電機メーカーがこぞってマイナスイオンが出るエアコン、マッサージ器などを発売した。たしかに、大きな水滴はプラスの電気を帯び、小さな水滴はマイナスの電気を帯びるので、滝のまわりに漂っている微小な水滴はマイナスに帯電しているという〈レナルト効果〉は確認されている。だが、その正しくは〈負イオン〉と呼ばれるものが健康にいいなどとは、物理学者のレナルトは言っていないのだ。そもそも負の電気をもった何らかの微粒子は空気中ですぐ中和されてしまうという。ほかに、サプリメントや食品添加物など、身近なニセ科学を一刀両断する。
(新日本出版社 1500円+税)