ニセ科学を見破ろう編
「ニセ科学を10倍楽しむ本」山本弘著
ニセ科学のなかでもずいぶん楽しませてくれたのが、「アメリカの宇宙船アポロ11号が月に行っていない」という珍説。月面では光源は太陽しかないのに、複数の影の向きがバラバラ、などの疑問点を挙げ、あの映像は「2001年宇宙の旅」のキューブリックがスタジオで撮影したという説が流布した。
だが、あんな広い月面を照らせる光源は太陽しかないし、地球からレーザー光線を発射するとアポロが月面においてきたコーナーキューブリフレクターからレーザー光線が戻ってきて、月に行ったことは証明されているのだ。ほかに、水の容器に「ありがとう」と書くと美しい結晶ができる、などの笑える話題満載。(筑摩書房 950円+税)