ニセ科学を見破ろう編
日本人科学者がノーベル賞を受賞して、日本人としてはちょっと鼻が高いが、その半面、巷ではSTAP細胞騒動やマイナスイオンのような胡乱な科学も横行している。そんなニセ科学に惑わされないよう、科学の世界のウラ事情をつかんでおこう。
国際的な科学雑誌「ネイチャー」に掲載されたSTAP細胞の論文が実は偽データに基づいて書かれたものだったと判明したときは、みんな目が点になった。なんたって国立理化学研究所の研究員の論文なのだから、当然、内部で検証がされていると思っていたのに、そうではなかったらしい。
このあたりの〈からくり〉について鋭い視線を向けているのが谷岡一郎著「科学研究とデータのからくり」(PHP研究所 780円+税)だ。
研究者だって、功名心満々の人間はいる。そんなやからの不正を防ぐために、ちゃんとハードルが設けられている。①研究費を支給するかどうかを決めるために研究計画を審査する「ピアレビュー」、②完成した論文を読んで雑誌などに掲載するに値するかどうかを判断する「査読」といったステップだ。