「損したくないニッポン人」髙橋秀実著
強迫観念に支配されているかのように「損したくない」と躍起になる自分や周囲の人々の姿を活写しながら、日本の「今」を描き出す面白ノンフィクション。
スーパーの駐車場に車を止めれば、駐車料金を無料にするために余計なものを買ってしまい、棚の商品を眺めているうちによその店の値段が気になってくる。かといって最安値の商品には不安を感じて手が出せない。さらに、店独自のオリジナルクーポンなど日常の買い物に張り巡らされた「損するワナ」に頭を悩ます。その他、ポイントの呪縛、不動産、家電、さらには結婚や宗教まで。蔓延する「損したくない」病を考察する髙橋流行動経済学。(講談社 800円+税)