恋する昆虫図鑑 篠原かをり著
悪女の代名詞のようにいわれているカマキリのメスは、交尾中にオスを食べてしまうことがある。それなのにオスは食べられながらも生殖器のある限り数時間にも及ぶ交尾を続けるという。しかも、頭を食べられることでオスは性欲が高まり、効率よく子孫を残せるのだそうだ。やせ細ったメスはフェロモンを出してオスを引き寄せ、交尾させずに食べて栄養補給するというから恐ろしい。そんなカマキリ系女子につかまったら、「自分の遺伝子を残すため」と、悪妻ぶりに目をつぶるのが正しい対処法である。ほかに守られ上手なシジミチョウ系女子などの対処法を指南する、虫の生態や交尾方法に学んだ恋愛戦略本。(文藝春秋 1200円+税)