「真犯人」翔田寛著
東名高速道路の裾野バス停近くで、高齢の男の刺殺死体が発見された。被害者の須藤勲の身元調査で、40年前の誘拐事件が浮上する。離婚した妻が引き取った須藤の息子、守が転居したばかりの三島の家から誘拐され、死体が23日後に多摩川で発見されたのだ。そして、裾野バス停は当時、守の身代金受け取りに指定された場所だった。未解決となった事件は時効寸前に再捜査が行われたが、不幸な結果を引き起こし、特別捜査班は解散に追い込まれた。しかし、被疑者のひとりでもあった須藤の殺害で、事件は再び動きだす。
かつて特別捜査班の一員だった刑事の鋭い目が犯人を追いつめる誘拐ミステリー。(小学館 1600円+税)