「海洋大異変」山本智之著
現在、絶滅危惧種に指定されているニホンウナギ。漁獲量が激減しているが、その原因は乱獲と〈河川環境の悪化〉だという。河川をコンクリートなどで人工護岸化したうえ、堰や水門、ダムなどを造って川を分断したため、ウナギはすみかと餌の両方を奪われたのだ。
ウナギを守るためには10年間の禁漁が必要となる。そして、ウナギだけでなく、国産のハマグリやアサリ、ワカメも危ない。今や日本の食文化が危機に瀕しているのだ。
自然破壊、外来種の侵入、エルニーニョの影響、海の〈酸性化〉など、日本の海洋環境の変化をリポートした、気になる一冊。(朝日新聞出版 1600円+税)