「無戸籍の日本人」井戸まさえ著

公開日: 更新日:

 著者は再婚後に出産し、市役所に出生届を提出しに行った。そのとき、民法の規定で、離婚後300日以内に生まれた子どもは前夫の子とされることを知った。著者が離婚する以前から前夫とは別居していることを説明したにもかかわらず、役所側は「子どもの身分の安定のために、職権で前夫を父とする戸籍」をつくるという。この実情に合わない民法のため、無戸籍になっている子どもが、1万人以上いるという。彼らは戸籍がないため義務教育も受けられず、まともに就職できず水商売にしか就けない。

 無戸籍者のための電話相談を行っている著者が、民法がつくりだした悲惨な現実を告発するノンフィクション。(集英社 1700円+税)



【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  2. 2

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  3. 3

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  4. 4

    田中圭が『悪者』で永野芽郁“二股不倫”騒動はおしまいか? 家族を裏切った重い代償

  5. 5

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  1. 6

    永野芽郁「二股不倫報道」の波紋…ベッキー&唐田えりかと同じ道をたどってしまうのか?

  2. 7

    レベル、人気の低下著しい国内男子ツアーの情けなさ…注目の前澤杯で女子プロの引き立て役に

  3. 8

    芳根京子《昭和新婚ラブコメ》はトップクラスの高評価!「話題性」「考察」なしの“スローなドラマ”が人気の背景

  4. 9

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  5. 10

    大阪万博会場は緊急避難時にパニック必至! 致命的デザイン欠陥で露呈した危機管理の脆弱さ