「ほめると子どもはダメになる」榎本博明著
近年、家庭や教育現場に蔓延する「ほめて育てる」という思想の問題点を考察した教育論。
学校や職場に「傷つきやすい」「頑張れない」「意志が弱い」若者が増加。こうした現実に「ほめて育てる」や「叱らない子育て」がもてはやされるようになってから、子供の育ち方、その結果として若者の心の在り方に変化が生じていると指摘。なぜ親たちは叱ることを躊躇するのか。子育てが社会の役に立つ人間を育てるという社会的意義を忘れ、親の自己愛を満たすための手段に陥っていないかと問う。
データや実験結果などを紹介しながら、「自己肯定感が高まる」などと言われる「ほめる」教育の常識の誤りを解説した、子育て中の親必読の書。(新潮社 720円+税)