桃ノ木坂町で生まれ育った70歳の元自衛官・光太郎は、町内に続々と建設されるマンションやアパートの住人たちのマナー違反にいら立つ。
会長を務める老人会「桃ノ木坂互助会」の選りすぐりのメンバーと「特務隊」を結成し、目に余る住人を町から追い出すために、ターゲットの行動を監視し、分別されないゴミを郵便受けに戻したり、早朝から部屋を間違ったふりをして呼び鈴を鳴らすなどの嫌がらせを続ける。そんな中、武藤という男が、光太郎らに反撃をしてきた。同じころ、DV男の被害女性たちの依頼を受け復讐を代行する沙月が、桃ノ木坂町にやってくる。
老人たちの「正義」が暴走する長編ミステリー。(徳間書店 670円+税)