「認知症をつくっているのは誰なのか」村瀬孝生・東田勉著
抗認知症薬は「アリセプト」を筆頭に4種類態勢となっている。しかし、厚労省が早期治療キャンペーンを展開し、認知症に無関心な医師までがどんどん薬を出すようになったことで、逆に認知症患者を増やす結果となっているという。
抗認知症薬のイメージといえば、服用したら進行が抑えられるというものだ。しかし実際には、4~6割に9カ月~1年の進行速度の遅れが見られるものの、この期間を過ぎれば効かなくなる。それにもかかわらず、抗認知症薬には増量規定が定められており、規定通りに増やすことで病院の利益になる仕組みになっている。
一方で、易怒(病的な怒り)を引き起こす副作用は深刻で、もはや“薬剤性認知症”の様相を呈していると本書は警告している。(SBクリエイティブ 800円+税)