「星宿る虫」嶺里俊介著
長野の山中にある宗教法人「楽園の扉」から脱走してきた少女が、そこでは大規模な管理売春が行われていると証言した。警察官が事情聴取に赴いたとき、突然、火災が起こり、信者23人が死亡した。
焼死体はなぜか血液が黄色くなり、体内から人肉を貪る白い虫が発見された。
調査を依頼された法医昆虫学者の御堂玲子にもその虫の正体は分からない。その後、静岡の山中で白骨化した老婆の死体が見つかった。強い光を放つ無数の虫がたかって、その死体を貪っていた。老婆にしか見えないその死体は、まだ高校生のはずの玲子の姪の変わりはてた姿だった。
第19回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。(光文社 1500円+税)