「帝都妖乱」久楽健太著
大東亜戦争に勝利してから70年後の日本。久遠零介は浅草で幼馴染みの友人と会っていた時、突然、狙撃された。実はそれは、久遠を仲間に引き入れようとする大日本帝国陸軍部隊〈十三機関〉の篝市香らが行った「査定」だった。
〈十三機関〉が戦っている相手は「神征翼会」。天照大神を主神とする国家神道に駆逐された土着のカミを信奉する者たちが、牛鬼などの〈妖〉を使って国家転覆を画策している。政府要人が謎の怪物・黒外套に暗殺された事件も彼らの仕業だ。篝らは〈この世ならざるモノ〉を見る力を持つ久遠を必要としていた。
いにしえの秘術を駆使した異形の者との死闘を描くダークファンタジー。(講談社 1650円+税)