「忍者の歴史」山田雄司著
忍者というと伊賀、甲賀が有名だが、江戸時代、毎夜、山奥に入って修行を積み、忍びの術を習得した人は各地にいた。忍びの術は一子相伝だったが、実子がないときは養子に伝えたり、それ以外にも求める人があれば伝授されていたらしい。口伝の忍びの術を書き記した「伝書」もいくつかあるが、その一つ「万川集海」は、さまざまな伝書を集積し、忍器、火器などについて記した忍者のバイブルのような存在で、これらを盗賊に用いてはならないと書いている。
忍びの者は歴史の中でも活躍していて、伊賀の澤村保祐が黒船が浦賀に来たときに乗船して内部を調べたなど、知られざる忍者の歴史をまとめた一冊。(KADOKAWA 1600円+税)