「北の男 第一部激流篇」塩澤幸登著
炭鉱の町、夕張に生まれた小柳昌之は海外に羽ばたける仕事に憧れて、上京。3年の浪人生活を経て慶応大学に入学し、アイスクリームの製造販売をしているフタバ食品でアルバイトを始めた。
売れ行きの落ちる冬場の商品として取り組んだ蒸しまんじゅうの販売で実績を挙げたのを認められ、卒業後に入社。2年目に、新設された弁当事業部の東京営業所の所長に任命され、弁当の売り込み先を探さなくてはならなくなった。これは本当にやりたかった仕事じゃないと考え始めたとき、週刊誌でジャーナリストの大森実が企画した洋上大学の記事を読む。
後に池袋でパブレストランを開いて成功する男の一代記。(河出書房新社 2300円+税)