「主夫のトモロー」朱川湊人著
小さな美術雑誌の編集者だったトモローは、突然、会社の〈整理〉を告げられた。親会社の社長が土地ころがしに失敗したためらしい。ということは……クビ? 恋人の美智子に電話したら、「いいじゃん、結婚すれば」とあっさり言う。
小説家志望だったトモローも、新人賞に応募するチャンスかもしれないと考えた。美智子は本気で、おじいちゃんがあまり長くないから早く花嫁姿を見せたいと言う。無職になったのに結婚の申し込みは……とためらっていると、「黙ってりゃ済むことじゃない」。意外にすんなり結婚して子どもが生まれ、トモローは家事と育児を担うことに。
ハートフルな育児小説。(NHK出版 1600円+税)