「病気は人生の夏休み」樋野興夫著
2008年に「がん哲学外来」を開設し、これまで3000人以上の患者や家族に希望を与えてきた順天堂大学医学部教授の著者が、病気で生きる基軸を見失ってしまった人に送る「言葉の処方箋」。
たとえば「使命をまっとうするまで、人は死なない」。使命がある限り、人は簡単に死なない。使命や目的を持っている人は頑張れる。逆に使命や目的を失った人は亡くなるのも早いように感じるという。だから、何をしたらいいかわからなくても焦ることなく、病気は人生の夏休みと考えて、これまでやれなかったことに時間を使ってみてはどうかと提案する。
他にも、「病気になっても、病人ではない」「元気なときの自分が最高とは思わない」「八方塞がりでも、天は開いている」「死もまたありがたくいただく」など、患者を勇気づけてくれる80の言葉が詰まっている。(幻冬舎 1100円+税)