「世界のへんな肉」白石あづさ氏
はたして、その味は「カレー味の白子」で、絹豆腐の食感だった。ほの甘いコッペパンにマッチし、日本ではやってもおかしくないおいしさだったという。著者は店に連れてきてくれたイラン美人女子大生と羊の脳みそを頬張りながら、恋バナで大いに盛り上がった。
同様に、グロテスクな見た目に反してうまかったのが、中米エルサルバドルで食べたイグアナだ。野良犬ならぬ野良イグアナがいるほど身近な動物だが、現地ではなんと食用に養殖をしている。
「樹上のニワトリと呼ばれるだけあって、まさに鶏肉の味。あっさりしているけどうま味があって男性は元気になりたいときに、女性は美容のために食べるみたいです。日本のうなぎや馬刺しの感覚でしょうか」
一方で、チャレンジしたものの、まずかったものもある。リトアニアで食べたビーバーのプラム煮込みは、まるでよどんだ川で釣った鯉の味。ケニアの食堂のおばちゃんにもらったキリンのジャーキーは噛むほどにカビっぽい味がし、スウェーデンで食べた雷鳥は「魚のハラワタのように苦くて渋い味」でギブアップした。