「やってはいけない目の治療」深作秀春著
「パソコンの使い過ぎで目が疲れたときは、眼球を上下左右に動かす運動をすると血行がよくなり疲れが取れる」。こんな目の健康法を本で読み、実践したことがあるという人もいるのではないか。
しかし、このように無理な目の動きは、絶対にやってはいけないのだという。15万件もの眼科手術を行ってきたスーパードクターと呼ばれる著者は、目の健康増進どころか網膜剥離の原因になる運動だと警告する。本書では、目の健康に関する48の情報を取り上げながら、その誤りを正していく。
眼球を無理に動かすと、目の中の硝子体繊維という物質が必要以上に揺さぶられ、網膜が引っ張られることで裂け目が生じ、そこから網膜剥離へとつながる。とくに、硝子体繊維の質が低下しつつある中高年ほど影響を受けやすく、著者も眼球運動が原因で網膜剥離を起こした中高年患者を何人も緊急手術してきたそうだ。
他にも、毎日水分をたっぷり取る、ソフトコンタクトレンズでドライアイを保護する、軽度の白内障は手術せず様子見、なども目のためにはやってはいけないことだと一刀両断する本書。あなたの目は大丈夫?(KADOKAWA 1200円+税)