「座りっぱなしが死を招く」ジェイムズ・A・レヴィン著、鈴木素子訳
現代人が1日のうちで立って活動するのは、わずか3時間。8時間睡眠を取るとして、残りの13時間は座って過ごしているといわれている。
今、世界各国の医療機関では“座りっぱなし”の弊害について調査が進んでいる。その結果、コレステロールの代謝低下や高血圧、骨の軟化、そして心疾患やがんリスクが高まることなどが明らかになっている。中でも深刻なのが、血糖値の上昇だ。食後に座りっぱなしでいると、2時間以上にわたり高血糖状態が続き、血管への大きな負担となる。ランチは会社で弁当を食べ、のんびりと食休みをし、そのまま午後のデスクワークに入るというサラリーマンは、糖尿病の高リスク群ということになるわけだ。
食後すぐに15分歩けば高血糖は抑えられるが、それでも他の時間を座りっぱなしで過ごせば、寿命は着実に縮んでいく。ルームランナーと机を組み合わせたウオーキングデスクの導入など、米国のオフィス改革なども紹介。立って歩くだけで早死にのリスクを回避できるなら、こんなやさしいことはない。
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