「座りっぱなしが死を招く」ジェイムズ・A・レヴィン著、鈴木素子訳

公開日: 更新日:

 現代人が1日のうちで立って活動するのは、わずか3時間。8時間睡眠を取るとして、残りの13時間は座って過ごしているといわれている。

 今、世界各国の医療機関では“座りっぱなし”の弊害について調査が進んでいる。その結果、コレステロールの代謝低下や高血圧、骨の軟化、そして心疾患やがんリスクが高まることなどが明らかになっている。中でも深刻なのが、血糖値の上昇だ。食後に座りっぱなしでいると、2時間以上にわたり高血糖状態が続き、血管への大きな負担となる。ランチは会社で弁当を食べ、のんびりと食休みをし、そのまま午後のデスクワークに入るというサラリーマンは、糖尿病の高リスク群ということになるわけだ。

 食後すぐに15分歩けば高血糖は抑えられるが、それでも他の時間を座りっぱなしで過ごせば、寿命は着実に縮んでいく。ルームランナーと机を組み合わせたウオーキングデスクの導入など、米国のオフィス改革なども紹介。立って歩くだけで早死にのリスクを回避できるなら、こんなやさしいことはない。

 今すぐに椅子から立ち上がろう!(KADOKAWA 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇