「『毛細血管』は増やすが勝ち!」根来秀行著
19世紀の著名な内科医ウィリアム・オスラーは、「人は血管とともに老いる」という名言を残した。この原文が指すのは動脈のことだが、現代の先端医学が注目するのは毛細血管であると、ハーバード大学など世界で教壇に立つ医学博士の著書は言う。
全身の血管の中でも、毛細血管が占める割合は何と99%。全身のあらゆる細胞の0.03ミリ以内に毛細血管は存在し、全身に酸素や栄養を届け、二酸化炭素や老廃物を回収するなど、命の営みの最前線にある。毛細血管が健康でなければ、見た目の老化から免疫力の低下まで、さまざまな弊害が表れるというわけだ。
これほど大切な毛細血管だが、実は加齢や生活習慣病による血流不足などの影響で、徐々に減少してしまう。若い頃と比べると、60代では4割減というデータもあるそうだ。しかし、日常のちょっとした工夫で毛細血管を復活させたり、質の低下を食い止めることも可能なのだという。
そのポイントとなるのが、副交感神経を優位にして毛細血管を開き、血流をアップさせること。本書では、睡眠や入浴、運動などの項目別に、毛細血管を増やすテクニックも伝授していく。(集英社 1250円+税)