「阪神タイガースの正体」井上章一著

公開日: 更新日:

 1990年代の低迷期、阪神タイガースのファンは万年最下位のその不甲斐なささえ、いとおしんでいた。本書は、その一人である著者がプロ野球の歴史をひもときながら、熱狂的タイガースファンが生まれた背景を探るスポーツエッセー。

 62年、阪神は広島を迎え、セ・リーグ優勝が決まる試合を行った。しかし、15年ぶりの優勝がかかった試合にもかかわらず、甲子園の入場者数はわずか2万人だったという。2週間前の巨人3連戦はいずれも4万5000から5万人を動員しており、当時の阪神は巨人戦でしか集客できない球団だったのだ。それが熱狂的なファンに愛され、支えられるようになったのはなぜか。阪神とファン、そして彼らを育てた関西メディアの関係を読み解く。(朝日新聞出版 760円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…