「大人のための社会科」井手英策、宇野重規、坂井豊貴、松沢裕作著

公開日: 更新日:

「希望」という言葉が頻出するのは大きな災害や戦争の時代で、経済成長や政治改革の時代にはあまり登場しない。「希望」が日本で語られたのは、「格差」と「貧困」が2000年代を語るキーワードとなった時代だった。ドイツのマルクス主義哲学者エルンスト・ブロッホは、希望を「まだ―ない」(Noch―Nicht)ものとして捉えた。そして、ナチス政権下で亡命中の苦しい日々にも、現在の社会の中には来るべき未来を実現する社会的な力が隠されていると考えていた。バラク・オバマは「希望」は政治や民主主義には不可欠のものだと説いたが、その道のりは険しかった。

 社会科学者が12のキーワードから日本社会を読み解く。

(有斐閣 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭