「逆さメガネで覗いたニッポン」養老孟司著
大ベストセラー「バカの壁」の著者が独自の視点で語った教育論。
この半世紀、日本社会が一番考えてこなかった問題が教育ではないかと指摘。なぜなら、教育について議論する前提である、人間とは何か、人は何のために生きるのか、などの常識が間違っているからだと説く。都市的生活では、頭の中でシミュレーションをして望ましい結果になるよう自分の行動を調節することが求められる。しかし、子育てにはシミュレーションが通用しない。子どもは不合理な存在で、都市における日常の思想と子育ての思想は矛盾する。それが少子化の基本的な原因だという。
親側の問題や学歴など、さまざまな視点から教育についての歪んだ常識を突く。
(PHP研究所 640円+税)