「ナックルな三人」ねじめ正一著

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 詩人兼絵本作家の笠原真一は、ベテラン絵本画家の石黒ススムと一緒に仕事をすることになった。話してみれば偶然にも2人は小学校の同級生で、石黒は笠原が投げるナックルボールに憧れていたという。

 ところが、絵本が刊行されたあと、石黒は突然筆を折る。若年性認知症に苦しみ、壁にナックルボールを投げる日々を送っていることを知った笠原は、石黒に本物のナックルボールを見せてやろうと高校の同級生・稲葉を探し始めるなかで、稲葉の元妻・珠代と出会う。ナックルにこだわりを持つ珠代と共に3人で練習を始めるが、ある日、石黒が行方不明になってしまう……。

 1人の女性を巡って繰り広げられる、中年男女の青春物語。

(文藝春秋 1600円+税)

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