「ぼくの伯父さん」伊丹十三著

公開日: 更新日:

 著者はアメリカ人が怖い。日本人同士が話をするときは何とか相手と合意しようとする。つまりイエスというために生きているが、アメリカ人はいつでも「NO」という用意がある。「常に戦う用意がある」――、これがアメリカ人の基本的性格のひとつだ。

 だが、これでは社会が成り立たないので、彼らは歯をむきだしてニカッと笑う。彼らは真剣に笑顔に取り組んで、社交的な良きアメリカ市民であることを証明する。西部の開拓者のごとき男が出会ったとき、笑うのは「俺は自分の協調性を証明したぞ。今度はお前が証明してみせる番だ」ということなのだ。(「アメリカ人」)

 俳優・映画監督など多才な活躍をした伊丹十三の単行本未収録エッセー集。(つるとはな 2000円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情