「大切な人ががんになったとき…生きる力を引き出す寄り添い方」樋野興夫著
家族ががんになると、できる限りの看病をするのだが、がんになった妻は夫の冷たさを感じ傷つき、がんになった夫は妻のおせっかいに辟易しているという。そんなすれ違いを生まない患者と家族の関係の築き方を説いた医学エッセー。
告知を受けると、自分は病人だと自身でレッテルを貼ってしまいがち。また、家族から気遣いの言葉を始終かけられたら、いやでも病気を意識せざるを得ない。しかし、病気になったことと病人であることは違うと著者は説く。その上で、「なぜがんになったのか」など、「WHY(なぜ)?」と考えるのではなく、どんな治療法をするかなど「HOW(どうやって)?」と考えるべきというように、具体的アドバイスで患者も家族も笑顔になる接し方を伝授。
(青春出版社 926円+税)