「新版 ビールの図鑑」一般社団法人日本ビール文化研究会・一般社団法人日本ビアジャーナリスト協会監修
連日の猛暑で、一日の終わりに飲むビールがいつもの夏以上に至福の一杯に感じられる。
ビールは、日本でもっとも飲まれているアルコール飲料だが、「とりビー(とりあえずビール)」という言葉が象徴するように、ワインや日本酒、焼酎などのように銘柄やビンテージ、原料などにこだわる人でも、ビールへのこだわりを持っている愛飲家は意外と少ない。
どれも似たり寄ったりと感じてしまうビールだが、実は世界には、色、香り、味わい、アルコール度数などが異なる1万種以上ものビールが存在している。そんな知られざるビールの魅力を教えてくれるのが本書だ。
よくビール用語で「エール」や「ラガー」などと耳にするが、これはスタイルのこと。前者は常温に近い温度で発酵する香り高い「上面発酵」、後者は低温で発酵する「下面発酵」を意味する。他に「自然発酵」を加え、スタイルは主にこの3つに分けられるが、土地土地で新しい進化が次々と生まれている。ビールを正しく知るためには、まずこの「スタイル」を知ることが大切だそうだ。
その上で、なんと1397年創業というドイツの老舗醸造所の「シュパーテン」、シャンパーニュと同じ製法で造られるベルギーの「ボステールス」、日本を除くアジア最古の醸造所が造るスリランカの「ライオン」など。ヨーロッパからアメリカ、アジア、さらに大阪の姉妹醸造家が造る「箕面ビール」などの日本の地ビールまで。世界各地のビールブランドから厳選した131本を解説。
その他、紀元前3000年にさかのぼるというビールの歴史から、製造工程、スタイル別に異なる飲みごろ温度、おいしさを引き出すビールのつぎ方などのビールを楽しむための基礎知識まで網羅。
この夏は、こだわりのビール党に変身しよう。
(マイナビ出版 1500円+税)