「最低賃金1500円がつくる仕事と暮らし」後藤道夫、中澤秀一ほか著 福祉国家構想研究会編

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 労働組合は2015年まで最低賃金1000円を目標にしていたが、これは都市部で借家暮らしの場合、約160時間働いても生活保護基準を下回る数字だ。最低賃金が男性の正規労働者とは別の、女性や非正規労働者を対象に考えられてきたためだ。

 だが、日本では最低賃金水準の仕事にしか就けないワーキングプア層が増えている。現在、最低賃金を1500円にして年間1800時間働き、年収270万円で暮らせる社会が提起されている。40代の夫婦と子供2人の家族では年収650万円必要だが、住宅補助費、教育無償化、児童手当の拡充が実現すれば、夫婦共働きで生活できるという。日本の「雇用崩壊」を乗り越えるための提言の書。

(大月書店 2000円+税)


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