「絶滅危惧職種図鑑」七里信一著
近い将来、日本の労働人口の約半数が人工知能(AI)やロボットに仕事を奪われるなどといわれている。
本書は、今後、どのような職種が危ないのか、そして生き残る職種はどの分野かを予測、解説するイラスト図鑑。
元自衛官の著者は、25年間に転職を繰り返し、40種以上の職種を体験、今や年収1億円を超えるまでになったという。
しかし、稼げる職業を探して転職を繰り返したのではなく、「稼げない職業をやらない」と決め、その職業が衰退してきたから転職するという消去法の選択によって成功を手にしたのだという。
その経験から、稼げない職業=絶滅する職業には原則があるという。そのひとつがちまたで言われる「AIの発達」である。
特にAIに仕事を奪われてしまいやすいのは視覚や聴覚を使って情報を収集して、それをもとに計算する職種で、会計士や税理士、スポーツの審判などが絶滅していくだろうという。
さらに、信用のデータ化とクレジット決済の普及で個人間の取引が活発化することによって、不動産などの「仲介業者」が必要なくなったり、「道具の進化」によってプロとアマの境目がなくなるなど、6つの原則を詳しく解説。
その上で、ITが進む建設現場では「現場監督」をはじめ、大工や内装職人も絶滅職種に認定。
さらに盲導犬がロボット化すると予測し、盲導犬の訓練士、3Dプリンターによってオーダーメードの分野も機械化が進むと「歯科技工士」、そしてAIの進化によって薬の調剤や管理も機械化され、「薬剤師」の仕事は自動販売機に、CG技術の発達によってCGキャラクターにとってかわられる「モデル」など、絶滅危惧職種全65種を網羅。
自分の職種が入っていた人は早めに対策を。
(あさ出版 1300円+税)