「官僚たちの冬」田中秀明著

公開日: 更新日:

 1980年代まで、日本の官僚は経済発展の原動力といわれ、内外で高く評価されていた。しかし、90年代に脱官僚、政治主導への改革が始まり、2014年には幹部公務員を一元管理する内閣人事局を設置して、安倍政権は政治主導を確立させた。

 引き換えに、森友学園・加計学園問題に始まり、統計不正や違法天下り、果ては事務次官によるセクハラ疑惑まで行政レベルで問題事案が頻発。かつて作家の城山三郎が政財界のしがらみにとらわれず国家のために働く官僚たちの姿を描いた「官僚たちの夏」とは程遠い、「冬」の時代となっている。

 本書は元財務官僚の著者が、平成30年間の政治・行政改革を振り返りながら、霞が関の劣化・凋落(ちょうらく)の深層に迫り、その改革の道を展望する政治テキスト。

(小学館 800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭