「千年図書館」北山猛邦著

公開日: 更新日:

 村の湖が夏至を過ぎても凍ったままなのは古くから凶兆といわれてきた。長老たちは、村の存続のため、これまでと同じく西の果てにある島の「図書館」に村人から選んだ「司書」を捧げることを決める。選ばれたのは13歳の少年ペルだった。

 冷たい水で清められ籠に押し込められたペルは、川に投げ込まれ島に漂着。助けてくれたのは、2年前に同じように司書として捧げられたヴィサスだった。図書館は見たこともないような大きな建物で、さらに地下にはその何倍もの大きさの書庫があるという。ヴィサスによると、司書の仕事は本が収められた「頑丈な箱」を地下の書庫に運び込むことだという。(表題作)

 最後の一行に鮮やかなどんでん返しが待っている作品集。

(講談社 880円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャースの“朗希タンパリング疑惑”で大迷惑!米29球団&日本プロ球団こぞって怒り心頭の納得理由

  2. 2

    柔道ウルフ・アロン「誤審」「不可解判定」「AI審判」「やらせ疑惑」をとことん語る

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  5. 5

    吉永小百合(10)「15歳年上のバツイチと、よく一緒になりましたね」会員限定記事

  1. 6

    「建築界のノーベル賞」受賞の権威が大阪万博をバッサリ!“350億円リング”「犯罪だと思う」

  2. 7

    渡部建はキスなし即ベッド“超自己中SEX” 元カノ女優が激白

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    柔道ウルフ・アロンが“弟分”斉藤立を語る「仏リネール選手はタツルに持たれることを恐れていた」

  5. 10

    石川佳純の争奪戦からフジテレビが脱落情報!五輪キャスター起用でアドバンテージあるはずが…