「木曜組曲新装版」恩田陸著
今年も静子と絵里子、尚美、つかさの4人は、人気作家で彼女たちの親戚でもあった時子の自宅「うぐいす館」に集う。4年前、同じように皆が顔を揃えたその夜、時子は寝室で服毒自殺。以来、4人は命日に一番近い木曜日に、編集者のえい子が遺言に従って管理をしている館に集まっているのだ。
皆が揃ったところで、えい子が届いた花束のメッセージカードを開くと「皆様の罪を忘れないために、今日この場所に死者のための花束を捧げます」と書かれていた。差出人は時子の遺作の主人公の名になっていた。時子の死は他殺だったのではないかと疑い始めた5人は、4年前の出来事を再度、話し合う。
それぞれが秘密を抱える5人の女たちが織りなす不穏な心理ミステリー。
(徳間書店 650円+税)