「イスラムが効く!」内藤正典・中田考著
日本のビジネスマンはイスラム教徒が「イン・シャー・アッラー」と言うのは、約束を破るときの常套句だと思っている。だが、それは「神が望みたもうならば」の意味で、例えば電車の事故で来られない場合もあるからだ。
こちらが来年も来ると言ったとき、相手が「イン・シャー・アッラー」と言ったら、それはぜひ来てほしいけれど、来なくても、それはアッラーが望まなかったからで、おまえが悪意で来なかったのではないと思う、という意味なのだ。内藤はそれを知って、日本人は約束に対して忠実でなければならないと考えるが、その中には一種の傲慢があると気づいた。(「第2章」)
2人のイスラム研究者が、対談で日本を救う「イスラムの発想」について語る。
(ミシマ社 1600円+税)