「サバイバルマインド」ミーガン・ハイン著、田畑あや子訳
大学でアウトドア教育の学位を取るために卒論を書いていた時、著者は何百人ものロッククライマーに話を聞いた。そこで何度も聞いたのが「フロー」と呼ぶ現象の話だ。体と心のつながりが強固になって、自分と岩以外のものは何も感じなくなる。著者はフローに入ると、スピリチュアルといっていいような感情に満たされる。
だが、その泡がはじけて自分が危険な状態であることを認識すると、凍り付いてしまう。恐怖を感じてパニックになることもあるが、恐怖は何かがおかしいことを教えて、闘うか逃げるかという行動を助けてくれる。脅威を感じたら脅威の正体を見つけなければならない。
旅と冒険に魅せられた著者が危機対処の心構えを説く。
(A&F 1800円+税)