「ジョッキーズ・ハイ」島田明宏著
地方競馬の北関東競馬会所属の騎手・純也は、年齢的には中堅だが、成績は下から数えたほうが早いほど振るわない。その日も久しぶりに1番人気の馬に騎乗することになったが、結果は3着に沈む。レース後、同期の桜井が騎乗した優勝馬から禁止薬物が検出され、競馬法違反の疑いで関係者は警察の事情聴取を受ける。
2週間後のレースでも、別の厩舎の馬から同じ禁止薬物が検出され、競馬会は対応に追われる。犯人がカフェインなどの興奮剤ではなく、ステロイド剤を使用したことに疑問を抱く純也は、恋人の競馬ジャーナリスト・沙耶香と事件の真相を調べ始める。一方で純也は好調な成績が続き「ジョッキーズ・ハイ」と呼ばれる状態に入る。
業界の裏側をリアルに描く競馬ミステリー。
(集英社 580円+税)