「WHO I AM」木村元彦編著
床に座ったままプレーする、パラリンピックのシッティングバレーは、もともと戦争で障害者になった人によって考案されたスポーツである。
ボスニア・ヘルツェゴビナの選手、サフェト・アリバシッチはセルビアとの戦争の激戦地で暮らしていた。12歳のとき、避難先から自宅の様子を確認に行って地雷を踏んで負傷し、手術で左足かかとを切断した。引きこもりがちになったサフェトに、母が障害者スポーツクラブを勧めた。そこでシッティングバレーと出合ったのだ。
ほかに、病気で四肢を切断しながら、車椅子フェンシングを続ける女性など、WOWOWの番組で取り上げたパラリンピアン5人を紹介する。
(集英社 1500円+税)