「新・佐高信の政経外科 幹事長二階俊博の暗闘」佐高信著
二階俊博は1998年、小沢一郎が率いる自由党の幹部として参院選を戦い、520万票を獲得した。そのとき、自民党の政策に不満をもったレベルの高い知識層が評価してくれたと語った。
だが、20年後、「大変な決意をして」離党した自民党に戻り、幹事長となった。小泉純一郎が自民党総裁だったとき、党内の反対者を除名し、総務局長としていわゆる「刺客選挙」を行って大勝した。結局、二階は、刺客選挙や郵政民営化に賛成かどうかを明確にせず、与えられた命題を仕上げることに集中するだけの根回し屋にすぎない。理念や理想を語らない政治家など百害あって一利なし、と佐高は断言する。自民党を陰で操る政治家の正体を喝破した一冊だ。
(河出書房新社 1750円+税)