「コロナ危機の政治」竹中治堅著
新型コロナ感染症拡大という未曽有の危機に退陣するまでの9カ月間、安倍政権と各地方公共団体がどのように対応してきたのか。その政治過程を分析したテキスト。
問題拡大とともに政権は、まず邦人を中国から帰国させる武漢オペレーションを2020年1月下旬に開始。以降、一斉休校要請、布マスク配布、緊急事態宣言などの対策が取られてきた。一方でPCR検査数が伸びないなど、首相の指導力が制約されることも多々あった。都道府県各知事は、政権に先んじて、緊急事態宣言(北海道)や大規模な休業要請(東京)、休業要請解除の基準の策定(大阪)など、政策立案を主導してきた。このような現象がなぜ起きたのか、危機対応のプロセスを追いながら、日本の政治体制の問題点を検証する。
(中央公論新社 980円+税)