「漢文で知る中国」加藤徹著

公開日: 更新日:

 前漢末に丞相を務めていた丙吉(へいきつ)は、部下を連れて出掛けたとき、都の大通りで喧嘩があり、死者やけが人が道に倒れているのを見たが、そのまま通り過ぎた。次に牛が舌を出してあえいでいるのを見て、牛の飼い主にどれほど歩いてきたのか尋ねたので、部下は、人より牛の方が大事なのかとあきれた。

 すると丙吉は、こう言った。傷害事件の処理は治安担当者の仕事で、丞相の仕事ではない。だが、まだ暑くないのに牛があえいでいるのは、異常気象の兆候かもしれない。天地の陰陽の気を調和するのは私の仕事だ、と。(「丙吉、牛を問う」)

 ほかに「白雲、尽くる時なし」など、使ってみたい含蓄に富んだ中国の名言集。

(NHK出版 1700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 4

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  5. 5

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  1. 6

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  2. 7

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  3. 8

    NHK新朝ドラ「あんぱん」第5回での“タイトル回収”に視聴者歓喜! 橋本環奈「おむすび」は何回目だった?

  4. 9

    歌い続けてくれた事実に感激して初めて泣いた

  5. 10

    フジ第三者委が踏み込んだ“日枝天皇”と安倍元首相の蜜月関係…国葬特番の現場からも「編成権侵害」の声が